
特集は、赤飯に入れる豆に焦点を当てます。「小豆」を入れるのが一般的ですが、信州では「甘納豆」を入れる家庭や店も多いようです。背景や普及の理由を取材しました。
祝い事やめでたい席に欠かせない赤飯。赤は邪気を払う色と言われ、小豆のゆで汁で色づけするのが一般的です。したがって、小豆入りが一般的な赤飯ですが…。
県内では小豆の代わりに甘納豆を入れる家庭や店も多いようです。
赤飯に入れるのは…?
長野市民:
「小豆以外はないですね」
「豆?小豆です。甘納豆…甘くなるんですかね?」
長野市民:
「おいしいよ、昔よくやったわ、甘納豆で」
松本市民:
「小豆の方がいいな。赤飯らしいもんね」
松本市民:
「どちらも好きです。(甘納豆入りは)おやつ感覚で食べられる」
「甘いのを食べたいときには、甘納豆でやります」
長野市よりも「甘納豆」を入れるとの声が多く聞かれた松本市。
和菓子店を訪ねると…。
御菓子司 花柳・廣田謙一さん:
「こちらが甘納豆の赤飯です」
ありました、金時豆(インゲンマメ)の甘納豆が入った赤飯です。
店は1936年・昭和11年の創業。昔から「小豆」と「甘納豆」両方の赤飯を作ってきたそうです。
御菓子司 花柳・廣田謙一さん:
「(甘納豆赤飯は)われわれとしては普通に、当たり前にあるものなので、どこでもあるものなのかなと思ってましたけど」
ただ、甘納豆を入れるようになった経緯は定かではありません。
御菓子司 花柳・廣田謙一さん:
「お菓子店が赤飯を作るとして、お菓子の方に少し寄ったのでは。味自体がすごい甘いお赤飯になりますから」
次に訪ねたのは、甘納豆を製造する長野市の松山功商店。
甘納豆は小豆や金時豆、花豆などを甘く加工したもの。茹でた豆を甘く煮詰め、その上に砂糖をまぶして乾燥させます。保存食でもあり古くから作られてきました。
こちらの店では、1日250キロ以上を作り、スーパーや菓子店に卸しています。その商品パッケージには…。
「煮豆、赤飯としてもおいしくお召し上がりいただけます」
赤飯に甘納豆を入れるのを業者も推奨しています。店は1956年の創業ですが、いつごろから推奨するようになったかなどはよくわからないそうです。
松山功商店・松山直弘代表:
「(“赤飯に甘納豆”は)いつごろからっていうのは先代に確認しないまま…。多分、聞いてきてこういうのがあるよっていうことで、先代たちもまねしたのかなという気がします」
ちなみに3代目の松山さんの好みは…。
松山功商店・松山直弘代表:
「自分としては甘納豆店なので甘納豆の方がいいのかなという答え。知らない人も多いので、ぜひ使って試していただきたいと思います」
甘納豆の赤飯をよく作るという長野市の家庭を取材させてもらいました。協力してくれたのは、大内眞さんと義理の弟夫婦の3人です。
前日から水に浸したもち米をおよそ1時間蒸します。肝心の甘納豆は…。
大内眞さん:
「一つのせいろに(袋)3つ半くらい入れればいいかなと思います。250グラムくらいになるかな」
大内さんが好んで入れるのは小豆の甘納豆。分量はもち米3升におよそ250グラムです。
大内眞さん:
「まんべんなく混ざるような感じでやりたいと思います」
色付けに食紅を使う家庭も多いですが、大内さんは小豆のゆで汁を使います。
大内さんは山梨の出身で、一般的な小豆の赤飯を食べていました。甘納豆を入れるようになったのは50年ほど前、長野市中条の夫の実家で、甘い小豆やササゲの入った赤飯を食べてからです。中条地区では以前から甘い赤飯をつくる家庭があったようです。
大内眞さん:
「当初は『甘い?考えられない』とか思いまして、手がつかなかったんですけど、食べてみたらおいしいんですよね。豆を煮ると割と大変。あまり軟らかくなりすぎてもよくないし、硬すぎてもよくないし。売っている甘納豆を使うと手軽ですよね。だから、いつでもできるということでやっていました」
“甘納豆赤飯”が出来上がりました。
初めて食べる記者は…
(記者)
「ご飯全体が甘く感じますが、程よい甘さで非常においしいです」
大内明さん:
「これが普通だと思っていたので、これが一番好きです」
大内静子さん:
「一番おいしいよね、あちこちのお赤飯ありますけど」
大内さんも話してくれた「手軽さ」と「甘さ」。郷土料理に詳しい長野県立大学の中沢弥子教授は、それらが甘納豆赤飯が広まった背景ではないかと見ています。
「手軽さ」については…
長野県立大学・中沢弥子教授:
「昭和20から30年代に北海道の料理講習会で、甘納豆入りの赤飯を紹介したという記事が残っていて、それが各地に広がったと言われている。簡単にできる赤飯を紹介したいということで広めたというふうに」
「甘さ」については…
長野県立大学・中沢弥子教授:
「砂糖が入ることによって、ろう化しにくくなる。砂糖が入ることによっていつもより硬くなりにくく、いつまでも軟らかくおいしい」
中沢教授によりますと、甘納豆の赤飯が食べられているのは北海道、青森、秋田、山梨、そして長野。いずれも農業が盛んな地域です。
忙しい農業の合い間に、手軽に作れ、さらに米が硬くなりにくいことから普及したのではないかということです。また県内は「特有の事情」も影響したと見ています。
長野県立大学・中沢弥子教授:
「料理講習会などが長野県は盛んですし、お茶の時に持ち寄って情報交換するという話も。そういうところから広がっていっているのではないか」
バリエーション豊かな信州の赤飯。中沢教授は、甘納豆赤飯も大事にすべき食文化の一つだとしています。
長野県立大学・中沢弥子教授:
「豆の炊き方って難しいが、簡単に利用できるということで甘納豆を使ってということが、皆さんに知恵として伝わって続けられている、大事にされている。簡単に炊飯器で炊ける方法として、若い方にもぜひお赤飯を炊いて、みんなで味わってほしい」
"一般的な" - Google ニュース
June 28, 2020 at 08:22AM
https://www.fnn.jp/articles/-/57103
赤飯に『甘納豆』 北海道が発祥!? 青森、秋田、山梨、長野でも... 背景や普及の理由を探る - FNNプライムオンライン
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