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車体そのものや車両、窓も 5つの尺度で見た「大きい鉄道車両」 - livedoor

新幹線から路面電車まで、鉄道車両の大きさはまちまち。車体そのもののほか、窓やドア、車輪など、5つの尺度で「大きさ」を見ていきます。とはいえ何でも大きければよいというものでもなく、その後小さくなったものも見られます。

車両限界と建築限界の範囲内で決まる車体

 鉄道車両は車体が架線柱などの構造物に接触しないよう、「車両限界」「建築限界」という大きさの範囲が決められています。

 たとえばJR在来線の場合、トンネルの大きさで例外的に車高が制限される路線もありますが、一般的な大きさとして正面から見たときに全幅3000mm以内、全高4100mm以内と決められています。日本の在来線ではこの範囲内で車両の大きさが決まり、このほかカーブで車体がこの車両限界からはみ出さないよう車体の幅、全長が決まります。


新幹線でも最大級の大きさを誇るE4系と、連結されたミニ新幹線の400系(写真後方)。大きさの違いがよくわかる(2006年7月、児山 計撮影)。

 こうして車体の大きさが決まると、車両のスタイルをどうするか鉄道会社は考えます。このときドアや窓、車輪などの大きさを用途に合わせて決めるほか、どのくらいのスピードで走るのかといった性能もデザインされていきます。もちろんドアや窓の大きさは車両によってまちまちですし、見えないところでは車両の「パワー」もその目的によって変わってきます。

 ここではそうした「大きい車両」を5つの尺度で見ていきます。なお以下内容は2020年4月現在のものです。

新幹線は車体が大きい

 新幹線の車両限界は在来線よりも大きく、その大きさいっぱいで造られたのが、東北・上越新幹線のE4系新幹線をはじめとする2階建て車両です。

 E4系の場合は全長2万5700mm、全幅3380mm、全高4485mmと、新幹線の車両限界(幅3400mm、高さ4500mm)いっぱいの大きさで造られています。これによって2階建てでも室内の高さ1900mmを確保。座席数も8両編成で817席と絶大な輸送力を誇ります。

 JRの在来線では、たとえばJR四国5000系は全幅2950mm、全高4070mmと車両限界いっぱいの設計となっていますが、新幹線には一歩譲ります。

車窓を売りにする豪華寝台列車 窓の大きさは日本最大

「大きさ」を実感できるのは車体サイズだけではありません。車窓を楽しむなら窓の大きさは気になるところですし、通勤利用であればドアの大きさも気になるポイントかもしれません。

 風光明媚な路線では、「車窓」を売りにする車両が走っており、窓を大きくとって見晴らしをよくすることが車両の魅力になっています。


「ななつ星in九州」展望車の窓は、縦1.5m×横2.3m。鉄道用複層ガラスでは日本最大(2013年9月、児山 計撮影)。

 たとえばJR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」の展望車は、複数枚の板ガラスを重ねた縦1.5m、横2.3mの超大型複層ガラスが使われており、製造元の日本板硝子によると「鉄道車両用複層ガラスとしては日本最大の大きさ」とのことです。

 一方で大きなドアは通勤電車で見られます。ドアを大きくする理由は、一度に大勢の乗客が乗り降りできるようにすることで、駅の停車時間を短縮することが狙いです。関東では、東京メトロや小田急電鉄などが1990年代から、ドアの幅が広い「ワイドドア」車両を導入しています。

 現在もワイドドア車両を運用しているのは東京メトロで、東西線05系の一部と15000系は、1800mm幅のドアを採用しています。一般的な通勤形車両のドア幅が1300mmなので、それよりも500mmも幅広になっています。

 ほかにも小田急電鉄の1000形が2000mm幅のワイドドアを採用していますが、現在はドアの開口幅を1600mmに狭めて運用しています。

大人の背丈ほどある 蒸気機関車の大きな車輪

 鉄道車両の車輪の一般的な直径は現在、路面電車が600mmから660mm、JR在来線や私鉄電車が810mmから860mm(一部910mm)、機関車がおおむね1100mmです。


京都鉄道博物館で動態保存されているC62形蒸気機関車。動輪直径は大人の背丈ほどもある1750mm(2008年8月、児山 計撮影)。

 しかし機関車のなかでも、蒸気機関車はピストンで動輪を直接動かす構造上、車輪を電車のように高速回転させることができません。在来線の電車用モーターが最大で1分間に5000回転ほどであるのに対し、日本の蒸気機関車は300回転ほどしか動かせません。

 そこで、車輪を大きくしピストン1往復当たりの移動距離を延ばすことで、蒸気機関車は車輪の回転数の少なさを補い、スピードを出そうとしました。そのため高速運転を行う旅客用蒸気機関車のC57形やC61形では、動輪直径が1750mmにもなります。東京駅の「動輪の広場」にはC62形の動輪が展示されており、その大きさを間近に感じることができます。

ハイパワーといえば機関車 編成なら新幹線も

 電車と機関車でパワーを比べるのは難しいので、まずは機関車のパワーを見てみます。

 日本では、コンテナ車なら24両、タンク車なら約16両分に相当する1200トンの貨物列車をけん引しています。現在もっともパワーの大きな機関車はEH200形で、出力は4520キロワット。馬力に直すと約6145馬力です。さらに30分以内であれば5120キロワットまでパワーを出すことができます。EH200形がハイパワーな理由は、中央本線や上越線という長い勾配が続く路線で1200トンの貨物列車をけん引する運用を想定したためです。

 2019年まではEF200形が6000キロワットという大出力を誇っていましたが、変電所の容量が機関車のパワーに対応できず持てる力を発揮できないため、2020年現在は経済的なEF210形に道を譲っています。

 電車では東海道・山陽新幹線のN700系が、1編成の出力1万7080キロワット(約2万3200馬力)を誇ります。新幹線は長い距離を高速で走行するため、在来線よりも大きなパワーが必要です。そのため在来線よりも高回転で回るモーターを高い電圧(2300ボルト。JR在来線では1100ボルト)で駆動し、さらに16両中14両にモーターを装備しています。

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