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老後2000万円問題の要ともなる「退職金」はいつもらえる?制度の基本や金額の目安も合わせてチェック - @DIME

退職金がいつ頃受け取れるのかということは、退社を考えている人や退社して間もない人にとって切実な問題です。退職金が支給されるまでの一般的な期間を知り、制度の詳細や金額の目安などについても理解を深めましょう。

まずは退職金制度の基本を知ろう

会社を辞める際にもらう退職金は、法律で定められた制度ではありません。退職金制度を設けるかどうかや、時期・金額に関しては、会社に一任されています。

退職金制度のタイプは、受け取り方の違いにより、『退職一時金制度』と『退職年金制度』の大きく二つに分けられます。それぞれどのような制度なのか確認しておきましょう。

退職一時金制度

退職金を退職時に一括で受け取るタイプが、退職一時金制度です。一般的にイメージされる制度であり、退職金制度を設けている会社の大半は、この制度を導入しています。

会社が定める就業規定に基づいて支払われるため、退職までに規定の変更がない限り、経営状態などに関係なく支払いが約束されます。

定年以外の退職でも、リストラや早期希望退職などの場合は、退職一時金を受け取れるケースが多いでしょう。しかし、倒産や懲戒解雇のケースでは、支給されない可能性が高くなります。

退職年金制度

退職金を分割し、退職後に年金として受け取るタイプが、退職年金制度です。受け取れる期間は会社によって異なり、退職一時金制度と退職年金制度を併用する会社もあります。

厚生労働省が実施した『平成30年就労条件総合調査』によると、退職一時金制度を採用している会社は73.3%、退職年金制度を採用している会社は8.6%、二つの制度を併用している会社は18.1%です。

なお、会社によっては、『確定拠出年金制度』を採用している場合もあります。積立金が社外運用されるため、転職先に資産をそのまま移行できることや、倒産による資金ショートのリスクを回避できることなどがメリットです。

平成30年就労条件総合調査

退職金はいつ支給される?

退職金の支払時期は会社により異なります。一般的な支払時期や、前払い制度などについて解説します。

退社後1~2カ月が一般的

退職金の支払時期は、会社が定める就業規定などで確認できます。人事担当や経理担当などに聞いたり、先に辞めた先輩などに確認したりすれば、おおよその時期が分かるでしょう。

大半の会社では、退社後1~2カ月で支給されます。しかし、さまざまな理由により、それ以上の期間を要する場合もあります。

基本的に、会社から外部機構に支払い請求が行われなければ、支給手続きは開始されません。さらに、請求から支払いまでの期間も、外部機構ごとに差があります。

代表的な外部機構のスケジュール例は、『中小企業退職金共済事業本部』が約4週間、『独立行政法人福祉医療機構』が約2カ月となっています。

退社時期によって変わることも

同じ会社で働いていても、退社時期が違うことにより、退社時から退職金を受け取るまでの期間に数カ月もの差がつくケースがあります。

年間を通して最も退職者が多い月は、年度末である3月です。退職金の計算がしやすいことなどの理由により、他の月と比較して退職者が多くなる傾向があります。

従業員を多数抱える会社であれば、その分退職者も多くなり、退職金の請求事務作業はより忙しくなるでしょう。請求が遅くなれば、支給時期も遅くなります。

また、外部機構にとっても、3月退職者からの請求が多くなることで、支給事務作業に遅れが生じます。一般的に、4~8月は、支給までの時間が長くなりやすい時期です。

前払い制度を導入している会社もあり

退職金を退職前に受け取れる『前払い制度』を選択できる会社もあります。転職する人が増えている時代の流れに合わせた制度です。

前払いを選択すれば、退職金が月々の給与に上乗せされて支払われます。手取りが増えることから、勉強や資格取得の自己投資などに使うことが可能です。

ただし、退職金ではなく給与所得として受け取ることになるため、税金や社会保険料などの負担が増加します。

一般的に、退職金は他の所得と異なり、税負担が軽くなる『退職所得控除』を受けられます。前払いにすると、税金面での優遇措置が受けられなくなることに注意しましょう。

退職金がいつ支給されるか知る方法

  

一般的な目安ではなく、実際に自分の会社でいつ頃受け取れるのか、気になる人も多いでしょう。在職中や退職後に確認する方法を紹介します。

就業規則を確認

常勤の従業員が10人以上の会社は、就業規則を作成し労働基準監督署へ届出をすることが、労働基準法で義務付けられています。

退職金制度を導入している会社なら、就業規則に支払日も記載されているはずです。いつ頃支給されるのか知りたい場合は、就業規則で確認しましょう。

就業規則の扱いは、会社によってさまざまなのが現状です。本来は、労働基準監督署へ届け出る際に社内閲覧用の就業規則を作成し、従業員にも周知を図るべきものとされています。

しかし、社長しか就業規則の内容を知らない会社や、従業員へ周知を図っていない会社も少なくありません。このような場合も、会社に確認してみましょう。

担当者へ確認

前述したように、退職金が支払われる時期は、退職した時期により数カ月も差が出る場合があります。受け取りが遅くなりがちな退職時期は3月です。

退職金の支払い手続きに関わる担当者へ確認すれば、前例をもとにおおよその目安を教えてくれるでしょう。辞めた後であれば、手続きに関する進捗状況も分かります。

会社側の担当部署は人事部や労務部です。外部機構への申請状況や、同時期の退職者数などが確認できます。

中小企業退職金共済事業本部など、辞めた会社の退職金を管理運営する外部機構へ問い合わせしてみる方法もあります。会社からの申請が済んでいれば、支払い予定日などが分かるでしょう。

退職金の気になる金額

退職金の算出方法は、会社ごとの『退職金規定』で定められています。主な算出方法や、勤続年数別の平均額について知っておきましょう。

退職金の算出方法

一昔前まで、退職金の算出方法は、勤続年数に応じて支払われる『年功序列型』が主流でした。年功序列型は、会社に長く在籍していれば、それだけ多くの金額が受け取れる制度です。

しかし、近年は『成果報酬型』や『ポイント制退職金制度』に移行する会社が増えています。

成果報酬型は、そのときの役職や職能等級に合わせて掛け金を設定し、毎月積み立てする制度です。会社への貢献度が退職金に反映されやすく、勤続年数が長くても金額がそれほど増えない可能性があります。

ポイント制退職金制度も成果報酬型の一つです。役職や職能等級に加え、勤続年数にもポイントを設定し、ポイント数に応じて算出します。実績と勤続年数の両方が評価対象になる点が特徴です。

勤続年数別の平均

厚生労働省がまとめた調査結果から、勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者を対象とした、平成30年の勤続年数別退職金の平均が分かります。

退職一時金制度のみを採用している会社で支給された退職金の平均は、勤続20~24年で1058万円、25~29年で1106万円、30~34年で1658万円、35年以上で1897万円です。

大学・大学院を卒業した管理・事務・技術職に従事していた人が調査対象者です。高卒の場合は金額が大きく下がります。

退職年金制度のみを採用している会社でも、金額はそれほど変わりません。しかし、両制度を併用している会社では、30年以上勤続した場合、平均2000万円以上の退職金が支給されています。

退職給付(一時金・年金)の支給実態

退社理由で大きな差も

厚生労働省の平成30年調査によると、勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者に支給された退職金の平均は1983万円です。この金額は、退社理由により大きく増減します。

退社を余儀なくされるケースでは、金額が増える傾向があります。リストラなど会社都合による退社の場合、平均は2156万円です。

また、早期退職優遇制度などに応募して離職した場合の平均は2326万円と、さらに金額が上がります。逆に、転職・病気・結婚・介護などの理由で、自己都合により退社する場合は金額が大きく下がり、平均は1519万円です。

退職金が振り込まれないときの対処法

退職金が入金されるタイミングは、さまざまな理由により遅れることがあります。いつまで経っても振り込まれない場合の対処法を確認しておきましょう。

元勤務先へ確認・請求を

前述したように、退社する時期により、入金は遅れることがあります。しかし、どんなに遅くとも、半年以内には入金されることがほとんどです。

退職金がなかなか入金されない場合は、6カ月ほどの経過を目安とし、元勤務先の担当者に電話で問い合わせてみましょう。

それでも支払いがない場合は、弁護士や行政書士などに相談すれば、しっかりとした手続きを経て請求できます。内容証明郵便により通知書や請求書を送付し、会社と交渉してもらう流れが一般的です。

会社に連絡を入れても対応が遅かったり、退社後に会社と直接やり取りしたくなかったりする場合におすすめの方法です。

労働基準監督署に相談

退職金の支払いは、会社が労働基準監督署に提出した就業規則に沿って行われるものです。会社から支払われなければ、会社側の就業規則違反ということになります。

著しく支払いが遅れているような場合は、労働基準監督署への相談も検討しましょう。労働基準監督署から目をつけられることは、会社にとって不利益しかありません。

再三の催促や請求を行っているにもかかわらず、入金がないようなケースでは、債務不履行や不法行為による損害賠償を請求できる可能性があります。

労働基準監督署への相談に加え、弁護士などへの相談も視野に入れて行動しましょう。

退職金はいつまで請求できる?

労働基準法では、賃金や災害補償などの請求権における時効は2年、退職金における請求権の時効は5年と定められています。

したがって、退職日から5年が経過してしまった場合は、会社への請求ができません。

ただし、前述したように、内容証明郵便を使って会社に請求書や通知書を送っていた場合は、時効の進行を一時的にストップさせられます。また、裁判を起こすことで、完全に時効を止めることも可能です。

構成/編集部

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February 01, 2020 at 08:21AM
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