JR渋谷駅のハチ公前広場(東京都渋谷区)で観光案内所として活用されてきた鉄道車両「青ガエル」の“引っ越し”作業が3日未明行われた。車両は6日にハチ公の出身地としてゆかりがある秋田県大館市に到着し、ハチ公像もある同市の観光施設「秋田犬の里」で来場者用の休憩スペースとして使われる予定。

午前1時半すぎ、車両の移設工事が開始。ジャッキで車両を持ち上げ、運搬用の台車で移動させた。作業を見守った大館市観光交流スポーツ部の工藤剛部長は「有名な車両が大館に来てくれるのは大変光栄なこと。観光資源として有効に利用したい」と話した。

渋谷区観光協会によると、東急電鉄が1954~86年に運用した旧5000系。緑の塗装と丸みのある外観から、青ガエルの愛称で親しまれていた。東急で廃止された後も福島、長野、熊本などの鉄道で使われていた。

移設する車両は東急が保存していたもので、2006年に渋谷区が譲り受けて活用していた。広場改修に伴い、大館市への移設が決まったという。(共同)