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旅好きにおすすめ?監査法人の非常勤という生き方(前編) - KaikeiZine

公認会計士のキャリアの一つに、非常勤として監査法人に所属するというものがあります。それほどメジャーではないキャリアですが、旅好きな人にとって、実は悪くない選択かもしれません。今回は監査法人の非常勤についてご紹介します。

社会人になるとなかなかまとまった休みがとれず、学生の頃の夏休み、春休みが懐かしい。昔から変わることのない、日本のサラリーパーソンの悩みの一つではないでしょうか。

監査法人に勤める公認会計士の場合、業務の特性上、多少は長めの休暇を取りやすい環境にあると言えます。しかしながら、そもそも監査との相性や、業務の負荷が大きいこともあるのか、監査法人に勤めている、もしくは過去に勤めていた当時の同期たちからは、「頑張って資格はとったけれど、監査の仕事が合わずに監査法人にずっととどまることは考えづらい」「毎年のように規制が強化され、業務量が増加し続け、ヘトヘトになってしまっている」、しばしばこういった話を耳にします。

監査法人で働き続けるのではなく、別の進路を探す会計士にとって一般的な選択肢は、大企業の経理部員やベンチャーのCFO、もしくは独立して自分の事務所や会社を作るといったところでしょうか。大きな企業に勤めれば、監査法人時代に比べてワークライフバランスの改善や雇用状況の安定が見込めますし、ベンチャーCFO、独立であればリスクは高まりますが、リターンも大きくなる可能性があります。

ところで、あまり一般的ではない進路として、監査法人の非常勤勤務という道があります。独立開業をした方や育休中の方などが担っているケースが多い非常勤勤務ですが、僕が監査法人に勤務していた頃、こういった方と触れあう機会はなく、したがって旅の前後にも真剣に検討することはありませんでした。

ですが旅を終えてから色々と調べ、実際に非常勤として働いている方から話を伺うにつれ、「実は旅好きにはいい選択なのでは」と考えるようになっています。

今回は、そんな旅好きにオススメ?な、監査法人の非常勤勤務という仕事をご紹介します。

非常勤勤務とは

僕がはじめて非常勤という働き方を知った時、そもそも非常勤とはどういうものなのか?という疑問が浮かびました。会計士試験の勉強をしていた頃、そして監査法人で働いていた頃も、ほとんど知識がなかったのが実際のところです。もしかしたら現在監査法人にいるものの、よく知らないという方もいるかもしれません。そこで、まずは非常勤勤務という働き方の概要から説明していきます。

雇用形態

非常勤とは、いわゆるアルバイト、パートのこと。

会計士の典型的なキャリアとしては、試験に合格した後、どこかの監査法人に入ることになると思います。この場合は通常、無期雇用であり、一部例外はありますが、基本的にはフルタイムでの勤務であったり、法人が社会保険を一定程度負担したりと、事業会社のサラリーパーソンと同じ条件になることが一般的です。

それに対して、アルバイトである非常勤の場合、雇用の条件が大きく異なります。例えば契約期間が決まっている有期雇用だったり、社会保険の会社負担がなかったり。学生時代にアルバイトをしていた人であれば、おおむねそれと同じ条件と考えて差し支えなく、要はアルバイト・パートとして監査法人に勤めること、すなわち監査法人の非常勤、となります。

業務内容

非常勤の業務としては、常勤(正社員)の方が現場往査で行っている仕事の一部を担うケースが一般的です。具体的には四半期及び年度決算の財務諸表監査、内部統制監査といった法定監査の他、任意監査(リファーラル業務等)が挙げられます。

勤務時間

こちらは契約する法人、またアサイン(配属、配員)されるクライアント次第ですが、通常、9時半~10時にスタートし、18時ぐらいに終わるイメージです。中には残業が必要なケースもありますが、年度決算を除くとそれほど多くないと想定されます。

繁忙期、閑散期

3月決算会社へのアサインを前提とすると、最も忙しい時期は年度決算の監査が集中する4月半ば~5月半ばの1か月間になります。その後、5月末~6月半ばにかけて有価証券報告書の監査や内部統制監査の対応があり、年度決算に関する業務は終わりとなります。

あとは7月後半~8月初旬、10月後半~11月初旬、1月後半~2月初旬と、四半期ごとにレビュー業務に従事することが一般的です。

それ以外にも、12月決算の年度監査が1月頭から始まったり、期中に内部統制のテストなどがあったり、また実査、立会などの業務があったりします。

監査法人で働いた経験があれば想像できる通りで、猫の手も借りたいほど忙しい4月半ば~5月半ばが、非常勤勤務の方にとっての書き入れ時となります。勤務先によっては、ゴールデンウィークは出勤、というケースもあるでしょう。

逆に、第1四半期決算が終わった8月半ば~10月半ばまでは、あまり仕事がないケースも十分に想定され、これは常勤の方も通じるところがあるかと思います。

報酬

契約する法人によって差があり、一時間当たり5千円~8千円程度、一日当たり4万円~6万円程度が目安です。ただしインチャージ(主査、主任)だと+〇〇円だったり、前職の監査法人でのポジションによって差が出たり、といったケースもあるようです。

求められるもの

高単価であることからも分かる通り、バイトとはいえ即戦力として期待されることが一般的でしょう。従って会計士の資格(もしくは試験合格者)はもちろんのこと、監査法人での監査経験は必須となります。その上でインチャージ経験や、マネジメントの経験があるとより需要が高まるようです。

探し方

実際にどうやって探すのか?についても記しておきます。

・JICPA Career Navi

JICPA Career Naviとは日本公認会計士協会無料職業紹介所(キャリアセンター)が運営する求人情報サイトのこと。こちらは、利用者が公認会計士及び公認会計士試験合格者に限定されており、登録すれば様々な求人情報を見ることができます。その中には非常勤の求人も掲載されており、報酬、稼働日数等が確認できます。公認会計士協会が運営していることもあり、安定的に求人がある印象です。

・民間の求人サイト

非常勤という特性なのか、あまり件数は多くないイメージですが、民間の求人サイトにも掲載されていることがあります。テレビ、ネットで宣伝をしている大手のサイトから、会計士専門のサイトまで、いろいろなサイトがあります。

なお、僕が事業会社の経理部門に転職した際に利用したのは、会計士・税理士等の有資格者を専門とする民間の転職サイト。この場合、経験豊富なアドバイザーによるキャリア相談などを受けることができ、疑問や不安などが解消しやすいというメリットがありました。

・知り合いのコネクション

よくあるのが、このケース。監査法人のパートナーのコネクションであったり、同期や補習所のコネクションを活かしたり、探してみるとたくさん求人があることに驚くかもしれません。中には独立後、中小規模の監査法人に関与している方もいるようで、そういった知り合いがいれば相談してみるのは一つの手になると思います。

・直接応募

監査法人によってはHPで通年採用を行っているところもあり、直接応募できるケースもあります。話が脇にずれますが、事業会社によっては、募集を出していなくても、直接問い合わせがあり、そしてタイミングが合えば書類選考や面接を行うところもあるようです。この点、監査法人はフレキシブルな対応をとるところも多いと考えられますので、もし希望する法人で募集を行っていない場合、とにかく問い合わせてみるのはありなのではないでしょうか。

(後編に続く)

旅人会計人

2006年に大学を卒業。事業会社へ就職し、「専門的な技術、知識を得たい」との思いで公認会計士試験の勉強を開始。2009年試験合格とともに監査法人に転職し、4年ほど国内監査業務に従事し2014年に退職。その後約2年間、夫婦で世界一周の旅を経験して帰国した旅人会計人。

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May 11, 2020 at 07:14AM
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