新型コロナウイルスの専門外来への窓口である帰国者・接触者相談センターのパンク状態が続いている。全国の電話相談の件数はピーク時から減少しているものの、負担の大きい自治体からは「必要な電話が見逃されている」と不安の声が上がる。国が相談の目安を緩めたことを受け、負荷が増す恐れもある。専門家は体制強化や業務の自動化の整備を訴えている。
「あんたに検査を受けられない人の気持ちが分かるのか」。北海道のある自治体の相談センターには、辛辣な言葉を浴びせる電話がしばしばかかってくる。
担当する看護師によると、1日にかかってくる約2500件の電話のうち、回線の制限から対応できるのは約500件まで。厚生労働省が5月上旬まで「37.5度以上の発熱が4日以上」などと設定していた相談目安に合致するとみて、詳しく症状を聞く必要があると判断したのは10件ほど。実際に専門外来でのPCR検査を勧めたのは1日平均3件だった。
この看護師は「基準に合致しない人でも不安を感じていることには変わりなく、検査が必要ないと言ってもすぐには納得してもらえない」と話す。大半の相談はごく軽い微熱などほとんど症状がない状態で、むしろ「取ることすらできない電話の中に数十人、すぐに検査が必要な人がいるのではないか」とみている。
相談センターの受け付けは毎日24時間。常勤者の1人当たりの勤務は1日8~16時間で週5日間程度に及ぶ。しかも、残業が1時間ほど必要な日がほとんどだ。「帰宅しても疲れで食事すらできない日もある。心身ともに限界に近い」
厚労省は5月8日、診察やPCR検査を受ける際の「相談・受診の目安」を改めた。37.5度以上などとした従来の目安を削除した上で「息苦しさ、強いだるさ、高熱」といった症状がみられた場合はすぐに相談するよう求めている。
感染者の見落としをなくして感染の再拡大を防ぐのが狙いだが、北海道地域保健課の担当者は「今後、相談センターの対応業務が増加する懸念がある」と話す。
厚労省の公開資料を分析すると、全国のセンターで相談を受けた電話は、4月の1日平均で約2万3千件。直近は減少傾向にあるものの、一般的な質問など症状と関係のない相談が全体の4割近くを占め、実際に専門外来の受診に至るのは7%にとどまる。
厚労省は一般的な相談の窓口を別に設けるといった体制強化を自治体に求めているが、一筋縄ではいかない。
4月から一般相談窓口を開設した東京都では、一般窓口が開いてない深夜から朝に相談センターに電話が集中する。この時間帯に200件前後で推移していた相談件数は、10日には約340件まで増加。都の担当者は「目安が変わった影響もあるだろう。質問の内容も広がり、1件あたりに応じる時間も体感的に長くなったと負担を感じる職員もいる」と明かす。
政府の専門家会議は5月4日、PCR検査の件数が十分に伸びていない背景のひとつとして、相談センターの業務過多を指摘。改めて人員の強化を訴えた。
聖マリアンナ医科大の国島広之教授(感染症学)は「相談に対応できる保健師や看護師はとにかく人手不足。チャットボット(自動応答システム)を使った相談の仕分けなどで、業務を効率化していくことも検討すべきだ」と指摘している。
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May 13, 2020 at 03:03PM
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