照明各社が快適性や高機能な発光ダイオード(LED)照明の提案に力を入れている。企業が働き方改革を進める中、職場の環境改善の一環として照明のリニューアルが注目されているためだ。照明各社にとっては、まだ開拓余地が残る既存物件へのLED採用増につながるビジネスチャンスとなっている。(国広伽奈子、大阪・日下宗大) 三菱電機は青空を模したLED照明器具「misola(みそら)」を10月に投入する。当初は窓のない会議室や病院、地下街などで開放感を演出する用途を想定していた。ただ、働き方改革の観点からの問い合わせも多く、今後は快適性向上について定量的な効果を調べる予定だ。 製造や販売を担う三菱電機照明(神奈川県鎌倉市)の内田敏彦社長は「(みそらは)商談のドアノッカーだ」と語る。施主やデザイナーの目に留まりやすい個性的な製品をきっかけに、主力の「Myシリーズ」の受注もまとめて獲得する狙い。同社は他にも照明制御システムにも力を入れており、三菱電機製のエレベーターや空調設備などと連携できるようになればさらに導入機会が広がるとみる。 パナソニックのLEDベースライト「iDシリーズ」は、器具本体とライトバー(光源)の組み合わせでさまざまな設置場所に対応でき、施工後でもライトバーの色や明るさを柔軟に変更できる。 オフィスを中心に多く採用されており、19年11月には発売7年目で累計出荷台数が3000万台を突破した。 器具とライトバーの組み合わせ製品を開発したのは同社が初めて。他社も追随し、施設向けでは一般的な形になっている。 最近は、主に店舗で主に使われていたスポットライトもオフィス向けに人気だという。オフィスにカフェのような空間を演出できることも支持される要因の一つだ。 東芝ライテック(神奈川県横須賀市)は、カメラを一体化したLED照明器具「ビューレッド」を19年に発売。防犯や生産効率向上に役立つネットワークカメラの導入コストを抑えられる。オフィスの来客確認や工場での生産ラインの記録、小売店の防犯カメラの死角のカバーといった用途がある。 日本照明工業会(JLMA)の統計によると、施設用のLED照明器具の出荷数量は年々伸び幅が縮んでいる。一方で、既存物件における導入率はまだ3割程度にとどまっており、各社は商機があるとみている。 <関連記事>
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March 03, 2020 at 04:00AM
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