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西友が「店産店消」の無農薬レタス、植物工場の低コスト化で実現 - @IT MONOist

 西友は同社の上福岡店(埼玉県ふじみ野市)内に、レタス(グリーンリーフ)の水耕栽培を行う植物工場「LEAFRU FARM(リーフルファーム)」を開設した。設置場所は上福岡店3階の一区画。栽培されたレタスをスタッフが収穫し、すぐに同店舗内の野菜売り場で販売する「店産店消」の仕組みを実現した。既に店頭でこのレタスが販売されている。価格は1株137円だ。

西友上福岡店内の3階に設置された店内植物工場の外観[クリックして拡大]出典:西友 西友上福岡店内の3階に設置された店内植物工場の外観[クリックして拡大]出典:西友

植物栽培技術のベンチャー企業が協力

 レタスの種まきから収穫、パッケージングといった出荷までの全作業がLEAFRU FARMの施設内で完結する。設備面積は約148m2で、1日当たり最大240株のレタスを多段式の栽培装置で生産する。開設からしばらくは、生産設備の稼働率は約半分程度に抑える予定だという。

多段式栽培装置で育ったレタスを収穫するスタッフ[クリックして拡大]出典:西友

 収穫した野菜はLEAFRU FARMから売り場に直接運ばれるため、倉庫代や運搬費のコストがかからない。栽培環境が天候に左右されないため、1年を通じて安定した品質の無農薬野菜を生産できるという植物工場ならではのメリットもある。栄養価の面でも通常の露地栽培と変わらないレタスが作れるという。さらに、一般的な植物工場よりも低コストにレタスを栽培することが可能だとしている。

LEAFRU FARMの施設概要[クリックして拡大]出典:西友 LEAFRU FARMの施設概要[クリックして拡大]出典:西友

 LEAFRU FARMの開設に当たっては、植物栽培に関連した技術開発を手掛けるプランツラボラトリーが協力。西友はプランツラボラトリーの水耕栽培装置や“水耕栽培のレシピ”を採用した。

プランツラボラトリー 経営企画室長の立川尚明氏 プランツラボラトリー 経営企画室長の立川尚明氏

 プランツラボラトリーは東京大学大学院の農学生命科学研究科と共同で、従来の植物工場と比べて初期投資コストを2分の1程度に抑えた屋内農場システム「PUTFARM(プットファーム)」を開発したベンチャー企業だ。コスト削減に成功した要因として、プランツラボラトリー 経営企画室長の立川尚明氏は「当社独自の環境制御技術を活用したことが大きい」と語った。

 「従来の植物工場は、温度管理用のエアコンなど大掛かりな設備が多数投入された堅牢な施設だった。だが、過剰な設備投資は初期投資、ランニングコストの高止まり要因となる。一方、弊社の開発した環境制御技術は、建屋の外壁に特殊遮熱材を取り付けることで熱を反射して温度や湿度を管理するというもの。エアコンなどへの設備投資費が不要になる上、電気代や水道代を節約できるため光熱費の効率化も図れる」(立川氏)

「PUTFARM」の施設概要[クリックして拡大]出典:西友 「PUTFARM」の施設概要[クリックして拡大]出典:西友

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March 02, 2020 at 09:00AM
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