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CASEに備えるブリヂストン データで「第3の創業」 - 日経ビジネス電子版

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タイヤから取得した走行情報を使って顧客の生産性を高めるなど、データをサービスにつなげる会社へ変身しつつある。対象を鉱山機械からクルマに広げようと、欧州地図データ大手から法人向け車両管理サービスを1000億円で買収した。世界シェア1位の座に安住することなく、シェアリングや電動化などのCASE時代に向け経営のかじを切っている。

鉱山機械向けタイヤは破損すれば大きな機会損失につながるために、丁寧な点検が必要とされる

 オーストラリア北西部ピルバラ地区で資源メジャーが運営する鉄鉱石の採掘場。巨大な掘削機械やダンプトラックが行き交うこの現場で数年前から大きな変化が起きている。

 鉄鉱石を運ぶ大型トラック1台当たりの積載量が約8%増えたのだ。一般的な鉱山機械は1台当たり約300トン積め、1日で数百万円を稼ぐといわれる。積載量のアップにより、年間で1台当たり1億円近い売り上げ増につながる計算だ。

1個500万円の巨大タイヤ

 これを支えたのがブリヂストンだった。資源を採掘したり運んだりする巨大なダンプカーや大型トラックには、直径約4m、1個約500万円の専用タイヤが必要になる。タイヤの破損などで鉱山機械が動かなくなれば、ユーザーの機会損失に直結する。乗用車向けとは違う特殊な加工技術と高い品質が求められるため、供給できるのは世界でもブリヂストンと仏ミシュランのみだ。

 そのブリヂストン製巨大タイヤの「お目付け役」となっているのが、タイヤの内側に貼られた手のひら大の黒い薄型センサー「B-TAG」だ。

 タイヤは主原料となる天然ゴムに加え、ゴムの劣化を防ぎ走行性能を高める配合剤、タイヤの骨格を形成するスチールといった金属からできている。

 ゴムと金属を接着させるための化学反応を維持するためにも、熱と水、そして空気は天敵だ。タイヤの接地面で過度な熱が発生すればタイヤが変形・破損してしまう。タイヤに空気や水が入り込むと、さびの原因となる。

 ブリヂストンでは、B-TAGが常に記録するタイヤの内圧や熱などのデータに、現場に派遣されている整備スタッフが取得する摩耗具合などのデータを組み合わせて分析している。

 ブリヂストンが鉱山機械向けのソリューション事業を始めたのは2012年。当初はタイヤの摩耗具合などから最適な交換時期を予測・提案して故障を未然に防ぐアフターサービスが主流だった。今では、車両の稼働状況や走行環境に応じて最適なタイヤを提案し、顧客の生産性向上につながるようなアドバイスもできるようになった。

 冒頭の豪州の採掘場の場合も、どのタイヤを使えば積載量をどれだけ増やせるかを、過去のデータからシミュレーションして算出。その結果を基に、「少しの傷があっても走行し続けられる強度の高いタイヤに交換すれば積載量が増えるはずだ」と資源メジャーに提案し、成果を出した。

 「これまでは優れた商品を販売ネットワークを通じて供給してきた。今後は顧客の価値を高めるソリューションが中心になってくる」。ブリヂストンでタイヤサービスを統括する高城知行執行役員は話す。

日経ビジネス2020年3月23日号 66~70ページより目次

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March 19, 2020 at 10:03PM
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