Search

近鉄の新型名阪特急「ひのとり」快適さを追求 - 中日新聞

近鉄名古屋駅に停車する新型名阪特急「ひのとり」(板津亮兵撮影)

写真

 近未来感が漂うメタリックレッドの車両。「プレミアム車両」に足を踏み入れると、レッドカーペットが敷かれた非日常の空間が広がる。近畿日本鉄道(大阪市)が三月十四日に名古屋−大阪間で投入する名阪特急の「ひのとり」。「くつろぎ」を提供する新型車両には、「定員を減らしてでも快適さを追求した」と話す開発者のこだわりが詰め込まれている。

 ひのとりは六両編成か八両編成で、先頭と最後尾の二車両がプレミアム車両。残りが「レギュラー車両」となる。

 プレミアム車両には数段の階段を上って入る。レギュラー車両よりも床が一段高い。頭から足まで包まれる席に座り、電動のリクライニングを最後まで倒すと、高い位置にある窓の半分以上を青空が占めた。

 座席は三列シート。前後の間隔は北陸新幹線などの最上級クラス並みの百三十センチで、従来車両に比べ二十五センチ広い。

 レギュラー車両はグレーの床で、四列シートとなるが、座席の前後間隔は百十六センチを確保し、新幹線のグリーン車とほぼ同じ。

 「プレミアム」「レギュラー」いずれでも、「バックシェル」シートを採用。リクライニングの際、背もたれは後ろに倒れず、座面が前にせり出す構造だ。

「プレミアム車両」で座席の特徴を話す深井滋雄さん=奈良市で(板津亮兵撮影)

写真

 近鉄の調査では、八割の乗客が後ろの客への遠慮から、座席を倒すことに抵抗があるという。「最後まで倒して乗ることはある意味、皆の夢のようなことだった」と開発責任者の深井滋雄さん(55)は語る。

 開発は二〇一三年、製造や営業、宣伝部門などから集まった十五人ほどで始まった。速さで勝る新幹線や安い高速バスに対抗するため、会議を重ねて行き着いたテーマが「くつろぎ」だった。

 車内の快適さを向上させるには座席数を減らす必要があった。「人を運ぶのが鉄道の役割。乗客を積み残して一体どうするのか」。社内から非難の声も上がった。それでも開発陣は、既存車両よりも座席数を二割減らし、新たな構造の座席の導入や、眺望を向上させる階段の設置を決めた。

 深井さんは「人口減で利用者が年々減る中、もう一度名阪のブランド力を示したかった。他の交通インフラと差別化を図るために、快適さを突き詰める必要があった」と語気を強める。

 見た目にもこだわった。メンバーを欧州に派遣して高級列車の色を確認し、外観色にメタリックレッドを採用した。発着点の近鉄名古屋駅と大阪難波駅には、先頭車両の停車位置の天井に暖色のライトを新設し、写真を撮影してもらえる工夫までした。

 「外観のインパクトと内部の快適さは、鉄道に乗ること自体を旅の目的にしてもらえるはずだ」と深井さん。「『こんなにくつろいで移動したことはない』と思ってもらえたら」と願う。

◆時間は「のぞみ」の倍、料金は安く

写真

 JR東海の東海道新幹線のぞみが名古屋−新大阪間で50分程度に対し、ひのとりは近鉄名古屋−大阪難波間で約2時間で、倍以上の時間がかかる。一方、料金はのぞみが大人指定席で6680円なのに対し、ひのとりはプレミアム車両で5240円、レギュラー車両で4540円と、1500〜2000円ほど安く抑えた。運行は名古屋発、大阪発の1日6本ずつ。

 (須江政仁)

この記事を印刷する

Let's block ads! (Why?)



"車両" - Google ニュース
February 08, 2020 at 02:01PM
https://ift.tt/2viXUo5

近鉄の新型名阪特急「ひのとり」快適さを追求 - 中日新聞
"車両" - Google ニュース
https://ift.tt/2Zi3y55
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

Bagikan Berita Ini

0 Response to "近鉄の新型名阪特急「ひのとり」快適さを追求 - 中日新聞"

Post a Comment

Powered by Blogger.