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社説 中東海域の海自 危うさ拭えぬ政府答弁 - 信濃毎日新聞

 海上自衛隊の中東派遣を巡る政府答弁を聞き、不安が高まった。

 非常時の対応をただした議員に対し、安倍晋三政権は「そのような事態になるとは考えていない」と切り返していた。

 中東の緊張は続いている。さまざまな事態を想定できていないのなら、現場の隊員たちは大いに戸惑うことになるだろう。

 政府は、原油輸入の9割を依存する海域で日本関係船舶の安全を確保するとし、哨戒機2機と護衛艦1隻を派遣した。航行する船舶の種類や船籍、不審船の存在や不測事態の兆候といった「一般的な情報」の収集を任務とする。

 米国が呼びかけた有志連合には参加しないものの、海自の活動範囲は連合の監視域と重なる。政府は米海軍に送る連絡員を介して情報を共有、連携を図る。

 非常時は警察権の行使に当たる海上警備行動を発令する。正当防衛や緊急避難に限り武力を使えるが、保護対象は日本船籍に限られ全体の1割余にとどまる。

 衆院予算委員会で岡田克也元外相(無所属)が質問に立った。海自の前に不審船が現れ、近くで米軍も展開する場合、海自の情報を基に米軍が武力を使う場合もあり得るのでは―と追及した。

 そうなれば憲法が禁じる「他国の武力行使との一体化」が生じると、岡田氏は指摘した。

 河野太郎防衛相は、切迫した状況では両国の艦船が直接情報をやりとりすることは認めた。

 その際も共有するのは「一般的な情報」であり、米軍のために海自が情報を集めるわけではない。他国軍の指揮命令系統に入るような活動でなければ「一体化」にはならない、と強弁している。

 首相に至っては、岡田氏が指摘したような状況は「そもそも想定していない」と断言した。これでは、非常時にどのような情報を他国軍に提供するかの判断にさえ、海自が苦しみかねない。

 今月2日の護衛艦出航式の隣で住民が「憲法違反!」とのプラカードを掲げ、抗議行動を繰り広げた。予算委で日本維新の会の足立康史議員は「大変残念。憲法への自衛隊明記を今国会でやりましょうよ」と呼びかけた。

 首相も「隊員のご家族はどう思うか。この事態には終止符を打たなければならない」と応じ、論点をすり替えている。

 住民の抗議は、憲法違反が起こり得る命の危険もある任務に、閣議決定だけで自衛隊員を送り出した安倍政権に向けられている。はき違えも甚だしい。

(2月6日)

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February 06, 2020 at 07:16AM
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