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新型肺炎 万一に備え 指定医療機関は対応確認 - 信濃毎日新聞

 中国湖北省武漢市で発生し、人から人への感染が確認された新型コロナウイルスによる肺炎。24〜30日に春節(旧正月)の連休があり、中国からの訪日客増加が予想される。県内でも11カ所の感染症指定医療機関などが患者発生時の対応を確認。観光地も入り込みに期待しつつ、万が一に備えている。

 「危機感を持っている」。県内で感染症医療の中核を担う県立信州医療センター(須坂市)の感染症センター長、山崎善隆医師(56)は言う。「訪日客に症状が出た場合、医療機関の受診方法が分からない可能性がある」

 新型肺炎は症状が一般的な風邪と似ており「診断には渡航歴などの申告が極めて重要」と指摘。武漢から帰国後に発熱やせきなどの症状がある場合は、電話でセンターに連絡した上で受診するよう呼び掛けている。

 「恭賀新年」「春節特売」―。北佐久郡軽井沢町の「軽井沢・プリンスショッピングプラザ」の中国語ホームページは、春節の中国人観光客を歓迎する言葉であふれる。運営する西武プロパティーズ(東京)は「春節はセールも実施し、多くの買い物客が訪れる重要な時季」と強調する。

 インフルエンザ流行期とも重なり、各テナントの従業員らには、発熱やせきがあった場合の速やかな医療機関受診や、手洗いとうがいの徹底などを求め、警戒を怠らない。

 松本城(松本市)も海外からの観光客に人気。松本市立病院は2018年度から県松本保健所と合同で感染症患者の収容訓練をし、19年12月3日にも行った。岡谷市民病院を運営する市病院事業の酒井吉之事務部長は「製造業が盛んな諏訪地方は中国と付き合いのある企業が多い。人ごとではない」と心配する。

 新たな感染症としては09年、県内でも新型インフルエンザが確認された。飯田市立病院感染管理室は当時、国が示した条件そのままではない患者に感染が確認された例を念頭に「武漢市だけではなく、中国への渡航歴がある患者でも、新型肺炎の可能性があると考えて対応する」とした。

(1月22日)

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