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「金融機関のAI導入」の論点を解説、見落としがちな運用のポイントとは - ビジネス+IT

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金融機関がAIを導入するポイントとは

(Photo/Getty Images)

 

AIの基本機能は4つ

 AIの機能は2つに大別される。「認識系AI」と「分析系AI」である(図1)。さらに認識系AIは「認識」と「理解」に、分析系AIは「解釈」「推論」に分類することができる。「AIの基本機能とは何か」と問われた場合には、この4つから構成されると答えておけば間違いない。
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図1:AIの基本機能

(出所:NTTデータ経営研究所作成)


 処理の対象となるインプットデータは、「文章」「数字」「音声」「画像」が挙げられる。なお、データは必ずしも定型である必要はなく、非定型のものも分析対象となる。

 AIを用いた実際の処理をイメージしてみると、次のように例示できる。画像やその他の大量のデータをインプットすると、まず、認識系AIが「画像の中から人間の顔を認識」し、次に「大量の画像の中から特定の〇さんの顔を抽出」する、といった場面で認識系AIが活用できる。

 さらに、分析系AIが「大量のインプットデータの中から、〇さんの行動や考え方との相関関係」を解き明かし、明らかになった相関関係から、「今後どのように〇さんにアプローチすべきか」を推測してくれる、といった使われ方が一般的だ。

属人的なスキルの棚卸しが欠かせない

 AI導入による初期目標としては、「属人的になりがちなスキルを棚卸しし、事務を効率化したり可視化したりすること」が挙げられる。

 属人的スキルの棚卸の目的は、長年にわたって職員が経験と勘に頼って対応してきた事務作業のうち、判断や惑いを産みがちな処理を特定し、可視化することで、「プロの判断をAIが代替」することにある。こうすることで誤謬(ごびゅう)や判断のゆらぎを排除することが可能となり、作業品質の均一化も実現される。

 さらには副次的な効用も生まれる。属人的な作業の過程では、職員による「意図的な結果導出」を避ける方法がない。AIは機械的な判断が可能であるため、こうした「コンダクトリスク(企業やその従業員の行動により、その企業に関連するステークホルダーの利益を侵害するリスク)」への対応としても有意性が期待される。 

 コンダクトリスクを具体的に解説すると、(1)社会規範にもとる行為、(2)商慣習や市場慣行に反する行為、(3)利用者の視点の欠如した行為などが代表的だ。こうしたリスクが発現すれば、企業価値が大きく毀損される。

 コンダクトリスクによる影響は、(1)利用者保護に悪影響が生じる、(2)市場の公正・透明に悪影響を与える、(3)客観的に外部への悪影響が生じなくても金融機関自身の風評に悪影響が生じそれによってリスクが生じる、といったように整理できる。具体例は金融庁が公表する「行政処分事例集」に参考掲記されているので、改めて確認いただきたい。

【次ページ】AI活用における一般的な論点

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