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JR大阪駅の“プロレスリング”みたいなホームドアが夢の“どこでもドア”に進化するらしい(文春オンライン) - Yahoo!ニュース

 以前、大阪駅を訪れたときに驚いた。いくつものホームが並ぶ巨大なターミナルのおおよそ真ん中あたり、5番のりばに行くとホームの端っこになんだか格闘技のリングロープのようなものが張られていたのだ。おや、これはこのホームは使わないってことなんですかね……。と思っていたらすぐに電車がやってきて、扉が開くとともにそのロープが頭上にポーンと跳ね上げられた。で、そのロープの下をくぐるようにしてお客が乗り降りをしているのだ。

【写真】JR大阪駅の“プロレスリング”みたいなホームドアと開発中の“どこでもドア”の写真を見る(全12枚)

なぜJR大阪駅は“リングロープ”なのか?

 このリングロープ、正しくは「昇降式ホーム柵」というらしい。読んで字の如くというか、つまりは柵の部分が昇降するホームドア。一般的なトビラが左右に動くスタイルのホームドアは可動式ホーム柵といい、これは大阪駅5番のりばの反対側、6番のりばに取り付けられている。東京や他のあちこちで見かける最も一般的なホームドアだから物珍しいものでもないだろう。ところがリングロープのような昇降式はなかなか珍しい。

「ああ、あれは車両のトビラの位置が変わっても対応できるようにということで開発したものです。もちろんちょっと押したりしたくらいではビクともしませんし、センサーで安全確認もしています」

 JR西日本の広報に尋ねるとこう返ってきた。そして話には続きがあるようで……。

「実は、あれよりももっと面白いホームドアを作っているんです。開口部を自由自在に動かすことができるタイプで、昇降式ホーム柵と比べても車両への対応の自在性が増しているものなんですよ」

“夢のホームドア”とは一体どんなものなのか?

 全国各地で設置が進むホームドア。ただ、思うようにいかないところも少なくない。ネックになっているのは、列車によってトビラの数や位置が異なることがあるから。東京の、例えば山手線や地下鉄各線のように同じ車両をビシッと揃えることができるならそれに合わせればいいが、大阪駅のように違う車種がいくつも乗り入れる場合はそうもいかない。そこで昇降式ホーム柵を用いたり、開口部を特別大きくしたものを導入するなどして工夫しているのだ。

 が、そんな悩みも吹っ飛ぶような夢のホームドアがあるという。いったいどんなものなのか、実際に見せてもらった。案内してくれたのは、JR西日本鉄道本部技術企画部の田中恭介さんと実際に開発を担当するJR西日本テクシアの妹尾潤さんだ。で、夢のホームドア、どんなものなんですか?

「ひとことで言えば、フルスクリーンタイプで列車が到着するとそのトビラの位置にあわせていろんなパターンで動くホームドアになります。2023年春開業予定のうめきた地下駅への設置を目指して開発を進めています」(田中さん)

 うめきた地下駅とは、かつて貨物駅があった大阪駅北側の再開発エリアに設けられる予定の新駅のこと。現在の大阪駅と結ぶ連絡通路が整備され、駅名も「大阪駅」になるという。今では大阪駅を経由しない特急「はるか」「くろしお」なども停車する予定で、大阪駅経由での乗換ができるようになるとか。

「なので、通勤通学等の通勤・近郊型車両から特急車両まで実にさまざまな車両が同じホームに乗り入れることになるんです。さらに2031年春にはなにわ筋線の開業も予定されており、そうなると南海電鉄さんの車両も入るようになります。そうなってくると、ロープを使ったホーム柵でも対応しきれない。開口部をどこにでも作れるようなホームドアを作る必要があります。そこで2017年頃から取り組んできたのがこの新型ホームドア、ということですね」(田中さん)

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May 18, 2020 at 04:00AM
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