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豊橋市保健所・犬塚所長に聞く(下) 新型コロナ、予防するには - 中日新聞

犬塚君雄所長は「流水で20秒以上手を洗ってほしい」と呼び掛ける

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 −新型コロナウイルス感染症の拡大で、マスク不足が深刻化しているが、マスクに効果はあるのか

 コロナウイルスは直径〇・一マイクロメートル(一マイクロは百万分の一)ほどと非常に小さく、一般的な紙マスクのような「サージカルマスク」では隙間を通ってしまうため、ウイルスの侵入を防ぐことはできない。マスクをしていれば良いというわけではないので、過信しないでほしい。

 −ではマスクをしても意味はないのか

 侵入を防ぐことはできないが、他者への飛沫(ひまつ)感染を防ぐことはできる。せきやくしゃみの飛沫の大きさは五マイクロメートル以上あるため、一般的な市販のマスクで十分防げる。マスクをすれば飛沫が周囲に飛び散らないため、感染を広げないためには効果的だ。

 −手のアルコール消毒については?

 ただ何となくアルコール消毒をすれば良いというわけではない。しっかり消毒するには、たっぷり使う必要がある。ただ、アルコール消毒よりも効果的なのは、手洗いだと思う。

 −どのように手洗いをしたら良いのか

 流水で二十秒以上、爪の隙間や指の間、手首まで洗うのがポイント。せっけんを使うとより効果的。手指衛生は、感染症対策の基本と言われている。

 −うがいはどうなのか

 うがいもしないよりはした方が良いが、職場などでは頻繁にできないと思う。こまめに水分を取って喉をうるおして流すだけでもかなり効果がある。

 −ほかに気を付けるべき点は

 無意識のうちに目をこすったり鼻をかいたり口元を触ってしまったりするため、体内にウイルスが入る「接触感染」をしてしまうこともある。極力気を付けてほしい。

 −発症して入院した場合、いつ「治った」と判断されるのか

 感染者の熱が下がって二十四時間経過し、呼吸器症状が落ち着き、エックス線で異常がないと判断してから四十八時間置いて「PCR検査」をする。この検査は、喉を綿棒でこすって採取した粘液やたんに含まれるウイルスの遺伝子を専用の装置で増幅して検出するもの。一回検査して、十二時間置いてもう一回採取し、二回とも陰性だったら退院できる。数週間かかることもある。

 −検査の信頼度は

 もちろん、ほとんど正確。だが、ウイルスを増幅させることがうまくいかない場合もある。PCR検査が万能と思われているが、百パーセント信頼できるかというと難しい。

 (聞き手・昆野夏子)

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March 10, 2020 at 03:09AM
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