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コロナウイルスの「国内感染」はもはや免れない - 東洋経済オンライン

SARSやMERSと比べて感染力は?致死率は?

1月30日、中国・武漢からの帰国者が運ばれる国立国際医療研究センターの敷地で、マスク姿で待機する関係者(写真:共同通信)

中国・武漢市に端を発し、全世界で感染者・死亡者の報告数が急増している新型コロナウイルス感染症。1月28日には、日本国内でもヒト-ヒト感染による感染者が発生した。当該人物は明らかな発症者との接触がなかった。中国衛生当局も指摘するどおり、長ければ2週間に及ぶ潜伏期間中の感染者(キャリア)から、感染した疑いがある。発生以来、多くの感染者が日本に入り、確認されていない国内感染者がすでに大勢いると見るべきだ。それを前提に、国民1人ひとりが正しい知識を持ち、共有し、予防のために行動するのが、現実的な方策である。

日本国内で感染拡大がすでに始まっている

昨年末には確認されていた新型コロナウイルス感染症だが、ここへきて指数関数的に患者が増加し始めている。その原因としては、潜伏期間の長さと、軽い初期症状が挙げられるだろう。一般的なウイルス感染症が48時間程度の潜伏期間で発症することが多いのに対し、今回のウイルスは潜伏期間が1~2週間と長い。また、初期症状が咳や関節痛、悪寒、下痢など風邪と酷似している。気づかないうちに感染を広げている感染者は、確認されているよりもずっと多いはずだ。

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中国政府は感染拡大を防ぐため、1月23日に武漢を封鎖(公共交通機関を閉鎖)したが、その前後に同市人口のほぼ半分に当たる500万人が武漢を脱出したとも言われている。ウイルスはもはや中国全土、そして世界に、把握されている以上に拡散していると見るべきだ。

当然、日本も例外ではない。昨年12月に武漢で初めて患者が報告され、1月中に中国内での感染が広まって以降も、日本は中国からの渡航者を制限なく受け入れてきた。冒頭に挙げた国内初感染者も、武漢からの観光客を乗せたバス運転手だった。その後、同乗のツアーガイドの女性の感染も明らかになり、3次感染の可能性が指摘されている。そして今なお、中国からの観光客が日々、続々と訪れている。

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